Strasser, R. (1994)

Strasser, R. (1994). Introduction to chapter 3: Interaction in the classroom. In R. Biehler, R. W. Scholz, R. Strasser, B. Winkelmann (Eds.) Didactics of Mathematics as a Scientific Discipline (pp.117-120). Dordrecht: Kluwer Academic Publishers.

これは論文ではなく,編集者による一つの章「教室における相互作用」のインントロダクションです.そのため特別の内容があるわけでもなく,その章の論文の解説・紹介をしているだけです.しかし,個人的に,このイントロとそのあとのいくつかの論文に興味深いところがありました.いくつかの論文というのは,フランス数学教授学のことを扱っているフランス人の Laborde とイタリア人の Bartolini Bussi それぞれの二本の論文です.興味深かった点は二点あります.

一つ目は,両者の論文において,フランス数学教授学が参照される際に,わざわざ didactique des mathematiques の語を用いているところです.この書籍は,Didactics of Mathematics as a Scientific Discipline というタイトルだし,英語の書籍なので英語を使えばいいのですが,フランス人もイタリア人も仏語を用いています.ドイツ人の言う数学教授学とフランスの数学教授学が異なるものだと二人の筆者が認識していることが見て取れます.

二つ目は,Strasser がイントロで使っている言葉です.フランス数学教授学のアプローチを "knowledge-oriented approach" (p.119) など "knowledge-oriented" の語を使っています.これは言い得て妙だと思いました.確かにその点が他国のアプローチと非常に異なる点の一つです.Strasser 自身,フランス数学教授学のことを非常に良く知っている人です.日本語だと「知識指向型アプローチ」と言えるかと思います.今度使わせてもらいます(謝).


追記 (2007/5/11):この著者の名前ですが,英語表記すると本当は Straesser のようです.a にウムラートがつくと ae に相当するみたいです.ドイツ雑誌の ZDM ではそうなっていました.たまたま今日見つけたのですが,ZDM の 2007 年の 39 号にこの本とほぼ同じテーマでかつ執筆者も似た面々で特集が出ています.あと,いつの間にか ZDM もSpringer の website から発行されるようになったのですね.

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